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第80回定期大会

「させられる教育」からの脱却を

2025年5月24日(土)、京都府立

高教組第80回定期大会が京都教

育文化センターで開催され、

運動総括・方針などの全議案が

満場一致で採択されました。
 

 大会は、近江委員長の開会

挨拶、来賓・他団体からの連

帯挨拶のあと、代議員20名に

よる活発な討論がなされ、教

育現場を取り巻く厳しい現状、

教職員の多忙化、非正規雇用の問題、人権・平和教育の重要性、そして組合活動を通じた現状打開への強い意志が示されました。
 このように定期大会では、厳しい教育環境の中で奮闘する教職員の現状を共有し、労働条件の改善、人権・平和教育の推進、そして組合活動の強化を通じてより良い教育現場を実現していくための決意を新たにする場となり、提起された様々な課題に対し、今後も組合として粘り強く取り組みを進めていく方針が確認されました。
 なお、昼食休憩時間には、ALTの民間派遣問題、高齢期雇用、介護子育てジェンダー平等、高校教育での要求交流会が行われました。

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私たちはどんな背中を見せるのか。
​ 
~荒瀬副委員長による「討議のまとめ」

執行部を代表して、荒瀬副委員長が行った「討議のまとめ」の

趣旨です。詳しくは「特集コーナー」をご覧下さい。

 今回の討論を振り返って、特に重要だと感じたのは四つのポイントです。

 まず、「先生の尊厳を取り戻したい」という強い思いです。

 公務災害認定申請の話や

ALTの先生たちの待遇、高

齢者雇用の現状などが語ら

れました。教育に関わる

人々が正当に扱われること、

それが本来あるべき姿では

ないでしょうか。

 次は「させられる教育」

の現状です。入試説明会や

特色づくりなど、管理教育

の中で先生の主体性が発揮

しづらい状況があります。これが、教師だけでなく、子どもたちにも影響を与えています。

自分の学校を「ゴミ箱」と呼んだ生徒の話は衝撃的でした。子どもたちが劣等感に苦しまずに済むような教育環境を整える必要があります。

 さらに政治を変えなければ教育も変わらないという点です。軍事費に莫大な予算が使われる一方で、教育には細かな規制があります。参議院選挙が迫る中、教育環境の改善には政治革新が不可欠だと、多くの発言から感じました。

 最後に、組織の拡大と対話の力です。粘り強く対話を続けることの大切さが語られました。「この人と一緒に頑張りたい」という思いで仲間を増やしていくことが、教育現場をより良くする鍵になるでしょう。

 教師としてどんな背中を、子どもたち、親や地域の人々に見せるのか、その問いに真剣に向き合いたいと思いました。

参加者の感想より

その後の人生に責任をもたないんだから…

 

 仕事によって心身に不調をきたした教職員のその後の人生を、府教委も管理職も責任をとれない以上、労働環境の整備に真剣に取り組んでいただきたいと発言を聞いて思いました。その声を届けるものとして組合の存在は貴重だと思います。

 全く進まない働き方改革や府立高校間の競争で疲弊してしまった高等学校にいると、どの方向に向かっていけばいいのか、わからなくなります。今日は色々な話を聞いて自分だけじゃないんだ、と思える 1 日でした。

 「盲学校寄宿舎の歌」とても

良かったです。胸があつくなり

、感動しました。

教職員の尊厳ということ

「教職員の尊厳」というまと

めは的確だなと感じました。

社会にとって「価値がない」

と思わされている子どもたち

や保護者の人々の劣等感や無気力を、よりよく導くにはどうしたらいいのか

誰もが困窮している時代に、どこに希望を見出せるのか、考えさせられる大会でした。

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府高の歴史がしっかり受け継がれている!

 はじめて組合の定期大会に参加した時、本当に多くの課題があることを知り、がんばっている先輩がたくさんいる事を学びました。ほぼ毎年参加していますがその度に怒りに相槌を打ち、がんばりに感動することは変わりありません。「組合は数年後加入者が減少してなくなるんじゃないか」と言われた時代を過ぎ、今も府高の歴史がしっかり受け継がれていることにあらためて組合つづけてよかったと感じます。でも、もっと仲間を増やしたいですね、もうひとがんばりします!

平和と真理・真実、高校生と共に!

 朝一番、元気でユニークな高校1年生に大きな拍手がわきました。京都高校生平和ゼミナールの府立高校生の発言です。外務省にいって申し入れたところ、「核抑止論の話ばかりされ、勉強をしなさいという言い方をされた」でも、彼はいいます。「僕たちは勉強をしています」と。(くわしくは特集ページをご覧下さい)

 会場には、広島市立基町

高校生が被爆体験者からの

聞き取りで描いた「原爆の

絵」を展示しました。
 西田昌司参議院議員のひめ

ゆり発言で見えた歴史捏造の

動き、トランプ米大統領の

フェイク発言と教育介入、

学術会議解体法案など学問の

自由への弾圧の動きのなか、改めて、平和教育と平和運動、真理真実の探究の教育の重要性が明確になってきます。
 京都では生徒会活動や校則問題での中学生、高校生の元気な姿が増えています。ある 高校でも生徒会への立候補が大きく増えたとの話もありました。

 学校や社会に主体的に参加していく若者を増やすこそ私たちのめざす教育です。主権者教育をすすめるとともに、かれらと共に歩んでいく運動を広げましょう。

団体交渉権で要求実現を!
​   
~夏季交渉が始まります

 府教委との夏季交渉が始まります。

そもそも組合は使用者との交渉し・要求を実現していくという目的で生まれたものです

権利としての交渉は最重点の事項です。

 府立学校の使用者は府教委ですが、この中には校長、管理職も含まれます。

一人分会であっても、校長は分会からの要望があれば、きちんと交渉に応じる責務があります。問題があれば、組合・分会として申し入れましょう。。
 なお交渉参加は、年休ではなく専免(職務専念義務の免除)ですので、管理職に届け出るのみです。組合員の皆さん、ぜひ、ご参加下さい。

《夏季交渉の日程》
<府高交渉>
6/12 管理部長申し入れ
6/25 予備交渉
7/4 府高交渉(15:30~)
<京教組>
6/3 教育次長申し入れ
6/11 予備交渉
6/19 京教組交渉
<府職連交渉>
・6/26 府職連交渉 
※府職員の組合と府教職員の組合が一緒につくってい
る府職員連合。

府高夏季交渉の重点要求の確定に向けて<交渉中・検討中のもの>


①年末交渉に向けた基本賃金、中高齢層と定年延長者、再任用者の賃金、地域手当引き上げ、調整額削減反対。

②代替未配置、教職員定数。時間外勤務手当支給と持ち時間減。「主務教諭」設置反対。行政職員の時間外勤務手当支給。採用試験実施と合格者増、受験年齢引き上げ。

③府立高校の民間派遣 ALT 問題。

④IC カードの確実な打刻、部活の改善。ICT 活用、教育 DX、ICT 業務改善、公務災害制度の周知、公務災害隠し根絶。

⑤子育て支援に療育の適用。介護休暇。

⑥ハラスメント根絶、障害のある教職員の働き方、衛生委員会。

⑦実習助手の呼称変更、特支課と障教部の懇談。
⑧高校教育のあり方、長欠、支援学校の過大過密、寄宿舎教育など。
 

ALT の雇用改善を!~定期大会で訴え

 府高ニュースや本サイトでも報じてきましたように、教育現場でなかまとして働いているALTの教育条件は極めて不適切です。
​ 今回の定期大会では、府立高校で働くAさんがその実態を報告してくださいました。

京都府の高校でALTとして働いていますAといいます。
私たちの契約は、派遣会社の入札で決まります。そのため、雇用の安定が全くありません。同じ学校で同じ仕事を3年続けていますが、派遣会社は毎年変わりました。そのため
毎年就職活動が必要で、契約内容や条件も悪化し、給料も下がる一方です。同じ仕事なのに、年々生活が厳しくなる現状です。家族も、健康保険の手続きなどで困惑しています。
派遣会社の多くは
私たちを教育の一員ではなく、商品のように扱っていると感じます。教育の質よりもコスト削減が優先されているように思えてなりません。賃金のおよそ3分の1を派遣会社が中間搾取しているのです。サポートは少なく、利益だけを得ているように感じます。
子どもたちの教育を本当に大切に考えるなら、なぜ教育を担う私たちを不安定な立場に置くのでしょうか?
私たちは教育の一員として、安定した立場で尊厳を持って働けることを望んでいます。それが子どもたちの教育の質を守るためにも必要です。私たちALTの現状に目を向け、京都府教委が直接雇用の形を取るよう、皆さんのお力をお貸しください

​京都府高とは
​機関紙『京都府高』
25年度版
 組合員版​(pwが必要です)
 全教職員版
24年度版
 組合員版(pwが必要です)
 全教職員版
​'24年度のとりくみより
対府・府教委交渉記録NEW
     ※パスワードが必要です
​生活・権利・賃金
賃金権利ファイル2025版
勤務時間・休暇編
賃金編(要PW)
​各種署名のお願い
​教育研究集会・学習会
​各種研究会・学習会
​各種書類
保護者との関係について

全教近畿ブロック会議でこんな話がありました。

保護者からの強いクレームがあった。教育委員会が適切な対処をしないため、我慢ならなくなった校長が、組合とか関係のある弁護士事務所に相談に来た」というのです。

 ここから見えてくるのは、

 問題そのものに向き合わず、保護者を「お客さん扱い」し、「とにかく謝れ」といったの対応に終始した教育委員会の姿でした。

 より良い教育をすすめるためには、目先ではなく、「子どもを真ん中に」おいて、保護者との連帯を進める運動を再構築していくことが大切です。

本音のシール投票


K分会では掲示板にシール投票の用紙を貼り出したとこる、多くの皆さんの協力が得られたとのことです。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

要求では「持ちコマ数減」と「1クラスあたりの人数減」が多数です。
残業代と定時退勤選択では、3割と7割になっています。賃金アップと、定時
退勤のための教職員定数増は、今後も組合運動の両輪だと考えます。

 

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困りごとは組合に相談を

 府高への相談が増えています。困りごとの相談は組合員 の権利です。大いに活用して下さい。もちろん、未組合員の方の相談にも乗ります

 必要に応じ、教育委員会とも連絡・交渉し、解決にむけ努力します。府高だけで解決できないときは、京教組、全教、弁護士、医療、専門家などとも。

 組合のネットワークはとても広く大きいのです。

 なお早く相談して もらえば、より解決しやすいといえます。
問題が起これば速やかに連絡、相談を。 

たたかってきた二人の希望実現
​~2025年度、人事異動・内示~

 2025年3月17日、人事異動、内示がありました。

 そのなかでは、昨年度3月末に組合に加入、1年間たたかってこられた高校職場のT さん、K さんは、共に希望通りの異動先となりました。自分の思いをしっかりと府教委に伝え続けたことが希望実現の大きな力となりました。 
 異動に関わって、他府県の臨採者から「京都の賃金、権利を聞きたい」との質問の電話があり、「他府県からも来てほしいといわれており、比較して決めたい。京都に行く場合は組合に入りたい」とのことでした。

 次年度の新採者で、子育て中で心配がありとのことで、事前に匿名で組合から府教委に要請した人から、感謝の連絡がありました。 
 それでも、厳しいことも多かったのではないかと思います。とくに、多くの未組合員、管理職では深刻な問題もあったと思われます。今後の組合の会議等で出し合い、新たな運動に生かしていきたいと思います。

せめて先祖の墓に行けるように
~近江委員長のボランティア体験記

5月17~18日、全教、全労連による能登地震支援のボランティア活動が実施され、府高からは近江委員長が参加しました。
 委員長は 「・・・行政

の手が届かない状態で自分

たちだけではどうにもなら

ないお宅に伺い、土砂のか

き出しを行いました。それ

でも電気も水道も通らず住

める状態にはなりません。

せめて先祖の墓に行けるよ

うにとの切実な思いを受け

て何とか車1台が通れるようにするのが精一杯でした。珠洲までの道も通行止めや工事中の箇所が多く、普通には走れない状況でした。1年5ヶ月も経過していてこの状態ということに悲しい気持ちになってしまいました。・・・・能登はまだまだ大変な状況です。万博をやっている場合ではないと痛切に感じています。

と語りました。

 

能登ボランティア_集合写真.jpg
新採・未加入のみんなとも学び合えた。 
~障教部「春のつどい」が開催されました~

4月12日開催された障教部「春のつどい」は、京都の障害児教育第二章が確かに始まっていることを実感させ、組合運動を進めていく上でも示唆に富むものでした。
 1つは、「学びの逃避」

を乗り越えていくユニー

クな進め方だったこと。

オンラインではどちらか

が従属的になることが多

い中、劇風の構成で、

北部南部の同時進行で進

めたこたことはとて斬新

でした。 
 2つは中心テーマが

「連絡帳の書き方」

「ホームルームの取組方」だったことです。これまでは「障害児教育とは?」といった大きなテーマになりがちだったのを、今回は身近な課題からの展開でした。ハウツー風にみえる切り口ですが、保護者との連携や教育実践を進める上で大切にすることを学ぶことにつながります。 
 3つは参加した新採者が自分の授業予定、考えを文書で持参したグループ交流です。1 時間たっぷり話し合ったグループでは、中堅、ベテラン組合員もじっくりアドバイスできるなど、具体的、建設的な学び合いができました。 
 美味しいデザートもあり、中堅、ベテランを含め、「参加して良かった」という声ばかりが出た「つどい」でした。

障教部「春のつどい」2.jpeg
退職・他府県異動のみなさん 、​          ありがとうございました。

 2025年度異動にかかわり、府高組合員のなかからも、退職などされた方がおられました。

 定年退職(63歳、61歳)が9人、60 歳退職の方が7人、神奈川への移住が1人、滋賀で教職再スタートの方が2人、他職や再任用再雇用が終了の方が一定数です。

 みなさま、最後まで組合員として団結して頂き、大変、ありがとうございました。

 新しい地、あたらしい世界で、お元気で、ご活躍下さい。

また、府高本部にも、元気な顔をみせてください。
 

未配置を放置してはいけない
​ ~管理職の責任を明らかにしつつ、協力も~

 教育行政(文科省、府教委、校長管理職)にとって、

 最も重要の責務は教育条件整備であり、教職員未配置等は、

 あってはなりません

 4月15日、府高に届いた報告によると、A支援(常勤3人→19H

を2人、27Hを1人。寄宿舎常勤2人)、B高校(英語非常勤6H)、C支援(寄宿舎常勤2人)です。 
  学校現場では、しんどさや諦めの悪循環から、「未配置放置も仕方がないという声」が一部で出ています。これはとんでもないことです。

 

 D支援学校からは「校長は、この年度末、未配置を出さないためにかなり奮闘した」という、当然ですが嬉しい声も出ています。

 この問題については、使用者(校長)責任を明確にさせつつ、

組合としても協力していきます。 

生徒を連れ、万博にいってきました。
~中学校からの報告~

いくつかの職場で十分な議論もないまま、万博へ参加した例があります。ここでは、「府高ニュース」に掲載された、万博に参加した府内の中学校による先生のポートを転載します。(一部、手直しをしました)

 万博に150人ほどの学年の引率で参加しました。

 各学校の判断で、参加不参加は決定される」と何度も市教委は言明しており、三学期段階で参加を見直すべきと学年会として意見を出しましたが、それに対する回答は一切なく、結局は参加することとなりました。

 その結果、前提も含め、以下のような問題点を感じました。


①下見がなく、現場での行動の見通しが教師側にまったく立っていない。

②人気パビリオンは予約もできず、予約が必要のないパビリオンでも行列しなければ見学できかった。

③現場の要望や生徒の実態から企画したものではなく、「行かなあかんかったから行った」にすぎない。ポーツセンターでの飯盒炊さんの方が100倍有意義。企画段階の時間的な制約もあり、教師間で議論して練り上げた企画にはならなかった。
④入場券の QR コードは3回必要であると聞いたが、結局は入場時点のみであった。事前の説明は?

⑤会場内で警備の方が「話が違うやないか」と大声でスマホ越しに相手と激昂しているなど、警備や清掃、案内などたくさんのスタッフが働いておられたが、賃金や勤務時間、衛生環境などの勤務条件が心配。

⑥入場時の荷物検査は引率教師だけ。ペットボトルとスマホを出し、装置を通過。身体は空港にあるようなゲートを通過。しかし、これでテロ対策になっているとはおもえない。

⑦11時間ほどのうち、往復のバス乗車時間が6時間、入退場で1時間ほど、会場内は正味4時間弱ほどしかとれなかった。

⑧バスのチャーター代が1台20万円以上。保護者負担は7000円弱。企画内容の割に保護者負担が重すぎる。

⑧初めから教師の勤務時間を無視した企画内容であり、結局サービス残業となった。

⑨メタンガス抜きの配管が所々に立っている。匂いも色もないだけに不気味だった。
 

 結論として、「参加しての無駄感と徒労感は増幅。各校の万博遠足の総括がどうなされるのか注視したい。

採用抑制が、今の現場を苦しめている…
 ~府高南部サポーターズが、交流会を開催

 5月11日、府高のOB・OGで結成された府高南部サポータークラブが、中堅教職員二人を招き、交流会を実施しました。
二人は、採用が抑制されていた時

代、長い講師経験を余儀なくされた

のち正規採用されました。

その影響で、同世代の教員数が不

足、現在も教員の年齢構成がいび

つとなり、上の世代が少ないため、若手教

員が先輩からノウハウを学ぶ機

も減り、経験不足のまま部長など

の重責を担わざるをえない教員が増加していることが話されました。
 また定員割れの影響で学力低下や多様化が深刻な問題となっており、基礎的な四則計算が不十分な生徒や、共通の常識が通じない生徒もおり、指導に苦慮している現状が語られました。

 そのほか、クレームリスクなどから指導の自由度が低下し、教員の業務負担は増大。さらにデジタル化への対応にも戸惑いがあるとのことです。こうした厳しい状況を踏まえ、二人は、教員の増加を強く求めました。

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アンカー 2
アンカー 1
アンカー 3
募集定員